「トラ・トラ・トラ!」を久しぶりに観る。

先日、相方がレンタルして来たDVDを見ていたので、見るとはなしに、つられて見た。

タイトルは「トラ・トラ・トラ!」。

太平洋戦争の始まりとなった、日本海軍による1941年12月7日のハワイ真珠湾の米海軍への攻撃を描いた1970年公開の映画だ。

アメリカの資本が作った映画だが、日米両国の映画スタッフがそれぞれの国を担当し、シナリオの原案から撮影まで行っているので、日本人が見ても違和感が無いのがいいですね。

それに1960年代後半に公開されていた資料にも正確に作られているので、両国がかなり公平に描かれていて、制作姿勢にも好感が持てます。

公開当時、かなり話題になったので映画館に見に行きたかったんですが、ド田舎の小学生だったのでなかなかチャンスが無く、数年後にTVの映画劇場(懐かしの「金曜ロードショー」!)での放映をワクワクしながら見ましたね。

で、オープニングのシーンで、本気で感動しましたね。戦艦長門が原寸で再現されているんですもの。

撮影された1968年には戦争体験者・海軍出身者が巷にも映画製作現場にもたくさんいたので(というより40代半ば以上の男は皆戦争に行ってますからね。うちの親父など14歳で海軍に入り、18歳で終戦を迎える迄攻撃機に乗って戦争してたし。)、シークエンスとか、役者のちょっとした仕草等が戦争を経験した・もしくは海軍を経験していいる人の空気を持ってるんですよ。子供の頃、近所のおじさんや、親戚のおじさん等が世間話・茶飲み話に語って聞かせてくれた(日常的にそんな話を聞いていたのだ)ものと同じ雰囲気を、「トラ・トラ・トラ!」の映画の画面から感じましたね。

ある話によると、戦争を経験し、戦後復興と高度成長を成し遂げた大正から昭和の初めの生まれの人達は、戦国時代を生き抜いてきた人達と同等かそれ以上の力を持っている凄い人達で、日本の歴史上、最も優秀な人達だという事です。

そうかもしれません。子供の頃接してきた市井の人達に、「一本筋が通っている」というのを感じましたから。

多分、この映画のオープニングの雰囲気は、今の役者には出せないものでしょう。

あの、ピシっとひきしまった感覚を、持っていたいものです。

太平洋戦争の戦争責任等は一先ず置いていいて、現代人の視点から、改めてこの映画「トラ・トラ・トラ!」を観てもらいたいです。

この映画を見る価値は、公開当時より今の方があるでしょう。今でこそ価値がある映画だと思います。

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